category
archives

2026.08.02

映画とAIが出会った3日間——第1回FILMBOY映画祭に参加して

2026年7月31日から8月2日まで、東京・中野Vスタジオで開催された「第1回FILMBOY映画祭」に、参加監督の一人として登壇しました。

FILMBOY映画祭は、映画監督たちが自ら企画・運営し、作品を上映するだけでなく、監督や俳優、観客が直接言葉を交わす映画祭です。

岩崎孝正監督、大川祥吾監督、尾崎康元監督、窪田将治監督、小泉充裕監督、鈴木太一監督、田代恵一、谷健二監督の8名が参加。個性豊かな作品と、映画づくりに込めた思いが集まる3日間となりました。


作品を観た直後に、つくり手と語り合える

今回、特に印象に残ったのは、上映後に設けられたトークの時間です。

スクリーンに映し出された作品について、監督や俳優が制作の背景や撮影現場での出来事を語り、観客からも率直な感想や質問が寄せられます。

完成した作品だけでは見えてこない、つくり手の迷いや挑戦まで共有できる。それは、映画をつくる人と観る人の距離が近いFILMBOY映画祭ならではの、贅沢な時間でした。

AI短編映画をクロージング作品として上映

私は最終日、窪田将治監督とともに、生成AIを活用した短編映画をクロージング作品として上映させていただきました。

映画を深く愛する方々が集まる場所で、AIによってつくられた映像がどのように受け止められるのか。上映前には、「少しアウェイな空気になるかもしれない」という不安もありました。

しかし、実際に会場から寄せられたのは、

「続きが気になります」
「AIだからこそできる表現があるね」

という、温かく前向きな言葉でした。

新しい技術だからという理由だけで遠ざけるのではなく、まず作品として向き合い、そこにある可能性を見ようとしてくださる。その姿勢が、本当にうれしく感じられました。

AIは、人の創造力を広げるための新しい手段

今回上映した作品は、きゃんべるさんと一緒に脚本を練り上げ、動画生成の工程でも力を合わせながら制作したものです。

生成AIは、指示を入力すれば自動的に映画を完成させてくれるものではありません。物語を考え、登場人物の感情を設計し、映像を選び、何度も試行錯誤を重ねて、ようやく一つの作品になります。

そこに必要なのは、これまでの映画制作と同じく、人の発想と判断、そして「何を伝えたいのか」という意志です。

AIは映画づくりに取って代わる存在ではなく、これまで実現できなかったイメージに手を伸ばすための、新しい表現手段になり得る。今回の上映と観客の皆さんとの対話を通して、その可能性をあらためて実感しました。

映画を愛する人たちが、新しい表現を育てる

3日間にわたる映画祭では、さまざまな作品との出会いはもちろん、監督、俳優、スタッフ、観客の皆さんとの交流が生まれました。

ジャンルや制作方法が違っても、根底にあるのは「映画が好き」「作品をつくりたい」という共通の思いです。伝統的な映画制作と新しいAI表現が同じスクリーンで出会い、率直に語り合えたことには、大きな意味があったと思います。

映画祭終了後の参加監督による集合写真。

関連リンク:FILMBOY映画祭公式サイト開催前の投稿開催後の投稿

トップへ戻る